偶然知り合いに出会い、「名前が思い出せない」と気まずい思いをしたことがある方は少なくありません。以前は覚えていたのに人の名前が出てこないのを、認知症の初期症状ではないかと疑う方もいるでしょう。疑うに越したことはありませんが、もとから名前と顔をセットで覚えるというのは難しい行為である上に、物忘れと認知症には大きな違いがあります。
当記事では、記憶のメカニズムや認知症と物忘れの違い、人の名前を覚えておくための方法などを解説します。人の名前がスムーズに出てこず、悩んでいる方は参考にしてください。
人の顔は分かるのに名前が思い出せなくなるなどの記憶に関する現象が起こるのには、考えられる原因が複数あります。物忘れの原因として主に挙げられるのは、「ど忘れ」と「老化による生理現象」、「認知症などの病気による物忘れ」の3つです。
記憶は、「覚える」「記憶を保持する」「記憶を引き出す」の3つのステップからなります。老化による物忘れの場合は、3つ目のステップである「記憶を引き出す」機能が低下することが原因であり、ふとしたきっかけでまた思い出せる可能性が高いです。しかし、病気による物忘れではステップ1・2の機能にも問題が生じるため、短期記憶は丸ごと忘れる場合があります。物忘れは誰にでも起こり得る生理的な現象で、問題ないケースも多いものの、脳の病気を示すサインであることも考えられるため注意が必要です。
最近物忘れがひどいと感じている方は、人の名前をうっかり忘れてしまったことで認知症を疑うケースもあります。しかし、加齢による物忘れと、認知症による物忘れはまったくの別物です。
以下では、認知症と物忘れの違いを解説します。
認知症と物忘れでは、忘れる内容・範囲が異なるのが大きな特徴です。物忘れの場合は、地名などの一般的な知識や、人の名前や出来事の一部といった断片的な記憶を忘れやすい傾向があります。一方、認知症の場合は自分自身が経験した出来事そのものを忘れやすい傾向です。
また、物忘れで忘れる範囲は体験の一部分となっています。例えば、家の鍵をどこにしまったか忘れたり、食事をしたことは覚えていていても何を食べたかを忘れたりすることは物忘れにあたります。一方、認知症の場合は、家の鍵をどこかにしまったこと自体や、食事をしたことそのものなど、体験全体を忘れてしまうのが特徴的です。
単なる物忘れの場合、進行・悪化はほとんどしません。物忘れをしている自覚はあるため、思い出そうと努力するケースも多々あります。ヒントやきっかけがあれば思い出せることもあるでしょう。
一方、認知症の場合は忘れていることを自覚できません。手がかりを与えられても忘れたことを思い出せず、症状にも進行が見られるケースが多い点が大きな特徴となっています。
物忘れ自体は誰にでも起こり得る現象であり、学習能力への影響や日常生活への支障はほとんどありません。一方、認知症の場合は病気によって記憶力や判断力が低下しています。そのため、新しいことを覚えられない、物事を順序立てて考えられないなど、学習能力に支障をきたすのが特徴の1つです。
また、認知症の場合は同じことを何度も確認したり、普段から使用している家電の使い方を忘れたりと、日常生活への影響も現れます。慣れた場所でも道で迷ったり、用事や他人との約束を忘れたりすることで、周囲とトラブルになるケースも少なくありません。
ただの物忘れの場合、感情や意欲、興味・関心は通常通り保たれます。しかし、認知症の場合は疑い深くなったり怒りっぽくなったりと、気持ちの面で変化が表れやすい点が特徴です。そのため、認知症を発症した人は周囲から「性格が変わった」と思われるケースが多くあります。
また、認知症になると物事に対する意欲や興味・関心が薄れやすい傾向です。何をするにも億劫な気分になりやすいため、周囲からはやる気がなくなったように見えるケースもあります。
そもそも人の顔と名前を一致させて覚え、忘れないようにするのは難しいことです。人の名前を覚えることに苦手意識があったり、創意工夫しながら克服しようとしたりする人も多くいます。
人の名前を覚えておくには、いくつかのコツを押さえることが大切です。以下では、人の名前を覚えておくための対処法を3つ紹介するので、参考にしてください。
人の名前を記憶する際には、「顔」と「名前」という2つの情報を同時に覚える必要があります。しかし、人の顔の特徴と名前には関連性がないため、覚えるのは簡単ではありません。
人の名前の覚え方としておすすめなのが、本人の印象や会ったときの感情などを名前と一緒に記憶する方法です。心が大きく動いた出来事を何年経っても鮮明に思い出せるように、物事は強い感情が伴うと記憶に残りやすくなります。
また、名前の由来を聞くなどして、イメージや感情を一緒に覚えるのも有効な手段です。場合によっては、「徳川家康の子孫の徳川さん」など、名前から勝手にイメージやストーリーを創作して覚えてもよいでしょう。
記憶は繰り返し思い出すことで定着します。そのため、初めて会った人のことは記憶が鮮明なうちに何度も頭の中に思い浮かべるとよいでしょう。名前を頭の中で復習する際には、「目が大きい」「このような話題で盛り上がった」など、顔の特徴やエピソードと一緒に思い出すのがおすすめです。
相手から名刺を渡された場合は、念入りに目を通しておくと覚えやすくなります。仕事であれば、日報を名前の復習に利用するのも有効です。
覚えたい相手の名前は、会話の中で積極的に口に出すとよいでしょう。例えば、「この点についてどう思われますか?」と聞きたい場合、「この点について、田中さんはどう思われますか?」のように、相手の名前を自然に挿入します。会話の中で何度も出せば記憶の反復にもなり、覚えやすくなります。
人は自分の名前を呼ぶ相手に親しみを感じやすいという性質があります。コミュニケーションを取る中で意識して相手の名前を口に出すことは、人間関係の構築においてもプラスに働くかもしれません。
記憶力はトレーニングによって鍛えることが可能です。今回は、人の名前を忘れないために実践できる記憶力の改善法を3つ紹介します。
睡眠サイクルを整える |
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睡眠の質は、記憶力を左右する大切なポイントです。十分な睡眠時間を確保した上で、規則正しい生活習慣を身につけると、自律神経が整い記憶力の向上が期待できます。特に朝型の生活習慣は昼間の記憶力を向上させるため、早起きを習慣づけるとよいでしょう。 |
適度に運動する |
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記憶力を向上させるためには、運動習慣を身に付けることも重要です。強度が高い運動をする必要はなく、10分程度のウォーキングでも記憶力アップが期待できます。反対に、長時間座りっぱなしの状態は記憶力の低下を招くと言われているため、定期的に立ち上がるなどの対策を取るのがおすすめです。 |
記憶力アップにつながる食べ物を摂る |
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記憶力には、糖質・ビタミンB1・ビタミンB12・DHA・カルシウムといった栄養素が関係しています。バナナやチョコレート、青魚、豚肉、大豆、チーズ、ゴマ、ココアなどには記憶力に関連する栄養素が含まれているため、積極的に食事に取り入れるとよいでしょう。記憶力の向上につながる栄養素が含まれたサプリメントなども販売されていますが、持病のある方は商品を購入する前に注意事項を必ずチェックしてください。 |
物忘れの原因として考えられるのは、ど忘れや老化、病気です。物事の一部を忘れているようであれば、ど忘れや老化による生理現象だと考えられますが、物事があったこと自体を忘れている場合は認知症の可能性もあるため注意が必要です。
そもそも人の名前と顔を一緒に覚えるのというのは難しいことのため、覚えるのが苦手な自分を責める必要はありません。イメージや感情と一緒に覚えたり、繰り返し思い出したり、会話の中で名前を口に出したりとさまざまなコツを試しながら、記憶に定着させましょう。
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