キリッと健康コラム

認知症と物忘れの違い6つ|対処法と予防法についても解説

年齢を重ねると誰しも物忘れが増えるものですが、それが単なる加齢によるものなのか、認知症によるものなのか判断に迷うこともあるでしょう。加齢による物忘れは自然な現象で、体験の一部を思い出せない程度であることが多い一方、認知症による物忘れは、体験そのものを忘れてしまうなど、日常生活に支障をきたすこともあります。

当記事では、認知症の物忘れの違い、また認知症による物忘れの対処法や物忘れ・認知症の予防法について解説します。

 

1. 認知症と物忘れの違い6つ

「物忘れ」と「認知症」は、どちらも記憶に関する症状であるため混同されがちですが、根本的に異なるものです。物忘れは加齢に伴う自然な現象で、一部を思い出せなかったり、あとから記憶が戻ったりするのが特徴です。一方、認知症は病気によるもので、経験そのものを忘れてしまい、思い出すことができなくなります。

以下では、認知症と物忘れの違いを6つの視点から解説します。

 

1-1. 忘れる内容・範囲

物忘れと認知症では、記憶の抜け落ち方に大きな違いがあります。物忘れは、体験の一部を思い出せない状態で、例えば「夕飯に何を食べたか思い出せない」といったケースが典型的です。体験そのものは記憶に残っており、「食事をした」という認識は保たれています。

一方、認知症の場合は「夕飯を食べたこと自体を忘れてしまう」といったように、出来事の記憶がまるごと抜け落ちてしまうのが特徴です。本人にとっては「食べていない」という認識になるため、同じことを何度も尋ねたり繰り返し食事を要求したりする行動が見られることがあります。

 

1-2. 進行の仕方

物忘れと認知症では、進行の仕方も違います。加齢による物忘れは、年齢を重ねるにつれて徐々に現れ、進行も緩やかです。たとえば、人の名前がすぐに出てこない、テレビで見た内容を思い出せないというケースが増えても、日常生活には支障がないことがほとんどです。

一方、認知症による物忘れは、短期間で急激に進行する傾向があります。昨日会った人のことをまったく覚えていない、財布や鍵の置き場所を毎日のように忘れるなど、日常生活に影響が出始めます。進行するにつれて時間や場所の感覚があいまいになったり、感情の起伏が激しくなったりすることもあります。

 

1-3. 日常生活への影響

日常生活への影響も、物忘れと認知症では違いがあります。物忘れは、銀行の暗証番号を一時的に思い出せなかったり、冷蔵庫に入れた食品の存在を忘れるといった軽微なもので、工夫次第で日常生活に大きな支障は出にくい傾向があります。

一方、認知症の場合は、ゴミの分別ができなくなる、毎日服薬が必要な薬を何度も飲み忘れる、約束の日時を完全に忘れて予定が重なるなど、生活の中での機能が徐々に損なわれていきます。

 

1-4. 自覚の有無

加齢による物忘れは、自分で「最近忘れっぽくなった」と自覚できることが多く、生活の中で工夫をしながら対処することも可能です。たとえば、予定をメモに残す、何度も確認するなど、自ら忘れたことを補おうとする行動が見られます。

一方、認知症による物忘れは「忘れたこと自体を忘れてしまう」ため、自覚が乏しいのが特徴です。財布を置き忘れても「誰かに盗られた」と思い込み、自分の記憶を疑わないといった傾向が見られます。記憶が抜け落ちている場合、本人ではなく周囲が変化に気づいて受診を促すことが大切です。

 

1-5. 感情や性格の変化

物忘れは加齢にともなう自然な現象であり、性格や感情面に大きな変化が現れることはあまりありません。一方、認知症の場合は、記憶障害だけでなく、感情の起伏が激しくなったり、性格が変わったりなどの症状が見られることがあります。

たとえば、これまで穏やかだった人が突然怒りっぽくなったり、些細なことで不安や被害妄想を抱いたりするようになるケースもあります。周囲に対して強く当たるようになる、反対に無関心になるということもあります。

 

1-6. 忘れたことへの対応

加齢による物忘れは、記憶が一時的にあいまいになっているだけのことが多く、ヒントを与えられると「そういえばそうだった」と思い出せる傾向があります。

一方、認知症の場合は、出来事自体の記憶が抜け落ちていることが多く、どれだけヒントを出しても思い出すことができない傾向にあります。そもそも食事をした記憶がない、話した事実を完全に忘れているというように、記憶の抜け方に深さと継続性があるのが特徴です。

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2. 認知症による物忘れの対処法

認知症による物忘れは、加齢による自然な物忘れとは異なり、病気として進行するのが特徴です。現時点では根本的な治療法は確立されていませんが、進行を遅らせたり、生活の質(QOL)を維持したりするための対処法がいくつか存在します。

本人の状態や生活環境に応じて、薬物治療・非薬物治療・生活環境の工夫・福祉サービスの活用などを組み合わせることが大切です。以下に、代表的な対処法をまとめました。

対処法の種類 内容と目的
薬物治療 認知機能の低下や周辺症状(不安、興奮など)を和らげ、症状の進行を抑えるために薬を使用します。
非薬物治療 音楽療法や回想法、軽い運動などによって感情の安定や記憶の活性化を図り、ストレスを軽減します。
環境調整 家の中の段差解消、物の定位置管理、明るさの確保などにより、本人の混乱を防ぎ、安全な暮らしを支えます。
生活支援 デイサービスや訪問介護を活用し、日常生活をサポートすることで、本人の自立と介護者の負担軽減を目指します。
家族の関わり方 否定せずに共感しながら寄り添う対応を心がけることで、本人の安心感を高め、良好な関係を築くことができます。

 

3. 物忘れ・認知症に対する予防法

生活習慣を整えることで、認知症や加齢による物忘れのリスクを下げられる可能性があります。日々の食事や運動、社会との関わりを意識することで、脳の健康を保ちやすくなると言われています。

以下では、日常生活の中で取り入れやすい予防法を紹介します。

 

3-1. 食生活を見直す

食生活の見直しは、認知症や物忘れの予防に役立つとされています。特に、脳の健康を保つためには、栄養バランスの良い食事が大切です。抗酸化作用があると言われているビタミンEやビタミンC、脳の神経細胞を保護するとされるDHA・EPAなどを多く含む食品を取り入れることが推奨されています。

たとえば、青魚、緑黄色野菜、ナッツ類、オリーブオイルなどがその代表例とされる食品です。これらの食品を意識的に摂取し、塩分や糖分、脂質を控えめにした食事を心がけることが、認知機能の低下リスクを抑えることにつながると考えられています。

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3-2. 適度に運動をする

適度な運動を日常に取り入れることは、年齢を重ねても健やかに過ごすための大切な習慣です。ウォーキングやストレッチなどの軽い運動には、気分をリフレッシュさせたり、生活のリズムを整えたりする効果が期待できます。こうした積み重ねが、思考や判断などの働きを保つ上で役立つと考えられています。

特に、無理のない範囲で継続することが重要とされており、運動を通して日常生活への関心を保つことも予防的な観点で注目されています。体調に合わせて、毎日少しずつ体を動かす習慣づくりから始めてみましょう。

 

3-3. 睡眠をしっかりとる

十分な睡眠は、心身の健康を保つ上で欠かせない習慣の一つです。特に高齢になると睡眠の質が低下しやすいため、生活リズムを整え、規則的な就寝・起床を意識することが大切とされています。日中に適度に体を動かしたり、寝る前に強い光や刺激を避けたりすることで、自然な眠りにつながりやすくなります。

睡眠中は、日中に得た情報を整理する働きがあるとも言われており、毎日の休息が頭をすっきりさせる一因となることが期待されます。日々の積み重ねが、将来に向けた備えにもつながるでしょう。

 

3-4. 趣味と楽しみ人と関わる

趣味に取り組んだり人と関わったりすることは、日々の生活に張り合いをもたらし、心身の健康を保つ上で大切な要素です。特に認知症や物忘れの予防の観点からも、こうした活動は注目されています。会話や共同作業を通じて脳を使うことで、自然な形で思考や判断を促す場面が増えるためです。

たとえば仲間とスポーツを楽しむ、旅行に出かける、手芸や絵画などの創作活動に挑戦するなど、興味のあることを見つけて継続することが効果的とされています。地域の交流イベントやサークル活動など無理のない範囲で人とのつながりを大切にすることが、心の安定や刺激となり、認知機能を保つ一助となると考えられています。

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まとめ

「物忘れ」と「認知症」は見た目の症状が似ていても、原因や進行の仕方、日常生活への影響などには大きな違いがあります。物忘れは加齢などが原因と考えられますが、認知症は病気であり、早期発見と適切な対応が重要です。薬物治療や環境調整、家族のサポートを組み合わせることで、進行を穏やかにしながら生活の質を保つことが目指されます。

物忘れや認知症の予防には食事や運動、睡眠、社会とのつながりといった生活習慣が深く関係しており、日々の積み重ねが将来の備えにつながります。

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